【猫の里親探し】高齢者への譲渡を成功させるには

里親募集をすると、時折、60歳以上の高齢者の方からの里親希望を受けることがあります。

お子さんがひとり立ちし、自由な時間ができるとともに、小さなかわいらしい生き物と生活を共にしたいという気持ちは、とてもよくわかります。

しかし譲渡者の多くは、高齢者への引き渡しを正直躊躇してしまいます。

 

実際に、最初から高齢者は譲渡対象外としている団体さんや活動家の方も多いと聞きます。

とはいえ、猫さんの幸せを考えた時に本当に高齢者への引き渡しを諦めて良いのか?

何か方法はないのか?考えてみましょう。

高齢者への譲渡を躊躇する理由は?

譲渡する側が高齢者への引き渡しを躊躇するには、いくつか理由があります。

それらは、本当に解決が難しいことなのでしょうか?順番に、理由と対策を考えてみましょう。

その①飼い主さんの年齢

少し前までは、10歳を過ぎれば高齢と言われたワンちゃん猫ちゃん。

医療の発達と共に、今では20歳以上元気に生活するケースも多く、そうなると飼い主さんと猫の年齢バランスが大変重要になってきます。

猫を最後に見送るところまで、飼い主さんはお元気でいることができるでしょうか?

 

もちろん、元気でいたいお気持ちはあるでしょうし、元気でいてほしいと筆者も思います。

しかし高齢者の場合、若年者に比べてそれが難しくなる可能性が高いのも現実…。

では、高齢者に譲渡する場合はどんな方法で引き渡せば安心でしょうか?

その①解決法

一言でいうと「後見人」を立てて頂くこと。

飼い主さんがお世話できなくなってしまった時に代わりに世話をしてくれる、後見人という保険をかけていただくことで、解決が可能です。

後見人は、飼い主さんご自身のお子さんや親戚、ご友人等、年齢が50歳以下で飼い主さんと信頼関係の厚い方にお願いしてもらうのがいいですね。

 

後見人の準備は、交渉のタイミングでお願いしましょう。

いつか立てるという口約束では、恐らく飼い主さんは動きません。

 

また、譲渡が成立した後では、こちらから強く要求がしづらくなりますので、

①後見人を立てること

②後見人とも面談を行い誓約書を取り交わすこと

この2点をしっかり条件に入れ、その上で猫ちゃんのお引渡しを行いましょう。

 

この条件をしっかり理解いただき、後見人を立ててくださる方は、一時の感情ではなく最後まで猫さんを大切にしたいと考えてくださる方だとみなし、安心してお譲りして良い方だと言えると思います。

その②体力がついて行かないのではないか

子猫を飼ったことがある方はわかると思いますが、子猫の体力は計り知れません。

やんちゃでチョロチョロ一日中動き回り、何かあればすぐに追いかけて行ってジャンプ、
仰向けで寝ていると、高い所からお腹めがけてダイブ、

ハラハラドキドキすることが多々あります。

 

この子猫の体力に高齢の方がついて行けるのか、とても心配になってしまいます。

その②解決法

子猫の体力については前述した通りですが、あばれんぼうだった子猫ちゃんも避妊・去勢手術を行い、生後1年も立てばかなり性格が落ち着いてきます。

年配の方には、是非おとなの落ち着いた猫さんを飼うことを提案してみてはいかがでしょう?

子猫特有の愛らしさはありませんが、大人猫ちゃんには大人猫ちゃんの魅力がありますよね。

 

また、人間と同じように子猫の時とおとなになってからと風貌が変わってしまうこともありますので、自分好みの子を探すには、既におとなになった子から選ぶというのもとても有効です。

そういう点でも大人猫さんの魅力を伝えてみると良いかもしれません。

その③頑固で望ましい飼い方をしてくれない

傾向として、年配者はご自分の飼い方を押し通し、今の世の中に適した安全な猫の飼い方をしてほしいという点で、理解を示してくれない場合があります。

これは過去に動物を飼っていた経験があり、「これまで大丈夫だったのだから、今度も大丈夫なはず」という考えに裏打ちされていることが多いです。

たとえば、完全室内飼いの徹底避妊去勢手術等。

 

昔は当たり前ではなかったことについて、中々ご理解頂けないことがあります。

これはあくまでも筆者自身の経験則であり、もちろん真摯に話を聞いてご協力くださったご年配の方も数多くいらっしゃいます。

そのため、全てがそうではないのは承知していますが、一定数こういう方がいらっしゃるのは事実です。

その②解決法

中には、単純に疑問として「昔は外に出すのが当たり前だったけど、今は出さないものなの?」という感じで質問してくださる方がいますが、こういう会話のキャッチボールが自然とでき、ちゃんとお願いに従ってくださる方もいますので、一度、真摯に説明してみるのは良いと思います。

けれど、主張に対して自分の主張で論破しようとしてきたり、話を明らかに適当に聞いているような方、
怒りだすような方には、譲ることを潔く諦めましょう。

こういう方への対応としては「譲らない」これにつきます。

 

無理して、なんとか頑張って説得しようなんてしなくて良いです。

人の信念や習慣は、少し説得されたくらいでは変わりません。

 

これは年配者に限った話ではありませんが、今あなたが預かっている子を譲るかどうか?譲るなら誰に?どんな風に?は、譲渡者のあなたが決めて良いことです。遠慮はいりません。

あなたがお話ししていて無理があるなと感じるお相手は、猫さんの運命の相手ではありません。

きっと今後の気持ちよいお付き合いも難しいと考えられますので、さっさと「譲らない」決断をして身を引きましょう。時間の無駄です。

高齢者への譲渡は、メリットもいっぱい

とはいえ、高齢者ならではのメリットも実は沢山あります。

まず、経済的に安定していて、医療費や食事など、恵まれたケアをしてあげやすいという点が魅力です。

また、既に退職して家にいることが多く、たくさんの時間を猫さんと共有できるところは、猫さんにとってもとても魅力ではないでしょうか?

 

長い時間一緒にいられれば、飼い主さんとの関係が深まり、パートナーとして無くてはならない存在になれることでしょう。

猫さんとの生活は、飼い主さんにとって活力源となり、日々を楽しいものにしてくれるに違いありません。

最後に

今回は高齢者への譲渡、気を付けたいポイントや対策について書きました。

譲渡者として心配に思っていることや条件をしっかり伝え、受け入れられなければ断ることも大切です。

もしそれが解決できるようであれば、猫にとっても幸せになれる場合がありますので、まずはじっくりお話をしてみましょう。

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