自分の保護している大切な猫さん、自分で飼い続けることはできないけれど、自分と同じくらい、いやそれ以上に大切にしてくれる家にお嫁に出したい。
里親さんを探している保護主さん皆の願いだと思います。
里親候補者の方と、より良い形でコンタクトを取るにはどうしたら良いのでしょうか?。
ハードルの高いお願いごとは最初が肝心
里子に出す側、里子に迎える側双方が納得して手続きを進めるには、里子に出す側の
- このような約束が必要になります
- このような負担をお願いしています
- このような手続きにお付き合いいただきます
- それで良いですか?
という、最初の意思の示し方が一番大切です。
ポイントは、「すべて正直に、お願いしたいことを伝える」ということ。
でないと、後からお互いに「そんなことは聞いていない!」というトラブルが発生するためです。
「言わなくてもわかってくれるはず」は通用しないと思った方が良いです。
誰が悪いわけではなく、それぞれの育ちや環境で考え方が大きく異なるので、常識というのは存在しないのです。
ですので、譲渡者側がちゃんと「こうしたいんだ」と伝えることが大切です。
具体的には、手続きや約束ごとの全体像を文章で残るように送り、それに里親希望者側がちゃんと納得してくれる、という工程を踏むことです。
また、「合意した」という一言を、同じく文章で貰っておけると尚良しです。
ファーストコンタクト文例
正直にすべて伝えることが大切っていうのはわかったけれど、それではハードルが上がりすぎて誰にも貰ってもらえなくなっちゃうのでは?
ということを心配されてる方もいるかもしれません。
確かに、聞きづらいこともありますし、お願いの仕方ひとつで里親さんが気分を害してしまうことになるのももったいないですよね。
しかし、伝え方を工夫することで、ちゃんと里親さんに理解をしてもらえます。
最初から情報を出し惜しみしないことで、嘘偽りのない誠実さが伝わり、かえってプラスに働く効果もあります。
里親候補者とのファーストコンタクト時に、筆者が使っている文章を、ご紹介します。
聞きづらいことを聞きだす言い回しなど、各カテゴリごとにポイントと合わせてまとめました。
里親サイトなどから応募が来た場合の案内文として、参考にご使用ください。
はじめまして!○○と申します。
遅い時刻のご連絡となり、申し訳ありません>< ←重苦しくならないように気を付けながら、節度のあるご挨拶を
この度は、我が家の保護猫ちゃんに興味をお持ち下さり、ありがとうございます^^
この子は○○なところがあり、とっても可愛い子です(*´ω`*) ←「ノルウェージャンフォレストキャットのような完全なロングではありませんが、兄弟の中では特に毛が長く、ふわふわまんまるの可愛い女の子です」のような、その子の良い所を表現するような紹介文
もしお嫁に行けるとすると、○○ということですね!! ←「人間のお兄ちゃんお姉ちゃん、猫のお姉ちゃんにも可愛がっていただけるということですね!!この子はおっとりさんなので、かまってあげていただけると嬉しいです」というように、実際にお嫁にいったら。。。を想像してもらう言い方、譲渡に前向きであることを表現できます。
譲渡に当たり、いくつか質問させてください。←先方から里親希望の連絡をしてきた時点である程度の情報が開示されていることが多いですが、ここでは足りない情報を追加で聞いておきましょう。
少し立ち入った質問もあり、失礼だとお感じになるかもしれませんが、安心してお嫁に出すためにどうしても必要な情報のため、是非お答え頂けましたら幸いです。←先方が、え?そんなことも聞かれるの?と感じる点に事前に配慮することで、気持ちよく答えてくれやすくなります。
○○さんは、、、「現在先住の猫さんがいるということでしたが、性格や性別、どのような飼い方をしているかおしえていただけますか?(完全室内飼い等)」など細かいことも含め、単刀直入に遠慮なく聞きます。ここで聞いておかないと、後で聞きづらくなってしまいますので、ここを逃さないように!
さて、ご応募に際し、譲渡条件については、お読みいただきましたでしょうか?
避妊手術と合わせ完全室内飼いへのお約束等、
私からのお願いはかなり厳しめになっていると思いますが、
ご不明点やご心配な点がありましたら遠慮なくお尋ねいただけますと幸いです。←少しハードルの高い約束事があるけど、理解してもらえた?を確認する文章を、重くならないように挿入します。
問題ない場合は、譲渡条件には同意ですね?を畳みかけています。以下の流れでお見合い・引き渡し・トライアル・正式譲渡の手続きをさせていただきます。
長くなりますが、ご確認いただき、ご了承いただける場合はお見合い日程を調整させて頂ければと思います。
①お見合いにお越し頂く
ご足労をおかけしますが、●県●市のわが家にお越しの上、本にゃんと触れ合っていただき、家族にできそうかどうかをご確認頂きます。
この日には猫ちゃんはお引き渡しせず、いったん帰宅いただいてご検討いただきます。
※即決の場合も、この日にお渡しすることは致しません
※念のため身分証を拝見させて頂きます
②後日こちらから猫ちゃんを連れていく
我々が直接猫ちゃんをご自宅まで連れてまいります。
ご自宅に上がらせて頂き、猫ちゃんの飼育にふさわしい環境であることを
失礼ながら確認させて頂いた上、問題がなければ「トライアル時のお約束」に記入をいただいて、
猫ちゃんをお預けいたします。
③トライアル期間
お渡し日から1ヶ月程度の時間を、トライアルの期間とさせていただきます。
お互いの相性をよく見て頂き、本当に家族になって頂けそうか?を確かめて頂きます。
この期間は最低1週間に一度程度、猫ちゃんの画像付きのメールでご報告をお願いしています。
ここで万が一「相性があわないな~」とお感じになれば、遠慮なくお返し頂いて構いません^^ ←この一言があるかないかで、安心感が違います。
反対に、あまりに猫ちゃんを大切に扱って頂けないと判断した場合はお返し頂きます。
(とはいえ、これまで本当に酷かった1件以外、お返し頂いたことはありませんので、ご安心下さいませ!) ←安心頂くのと合わせ、本当に返してもらうこともあるからね、というプレッシャーを与えます。
④保護中にかかった医療費のお支払いと、正式譲渡
トライアル期間、相互で問題がないと思われた場合は再びご自宅にお邪魔致します。
そこで猫ちゃんの様子を再度確認させて頂いたうえで、
誓約書を取り交わしの上、正式譲渡といたします。
また、この段階で、我々にて保護中にかかった医療費の一部のお支払いをお願いしております。←明確に、何にいくらかかったのでその●割のいくらを負担してくださいと、はっきり伝えましょう。
○○ちゃんの場合は、これまでに以下のような内訳で計●●●●●円かかりました。
この額の約●●%である●●●●●円程度のお支払いをお願いさせていただく予定です。
【医療費内訳】
- 健康診断 ¥●●●●
- 虫下し ¥●●●●
- ノミダニ駆虫 ¥●●●●
- 風邪治療 ¥●●●●
- ウィルスチェック ¥●●●●
——————————-
計 ¥●●●●●
長くなりましたが、このような流れを経ての譲渡契約を結ばせて頂いております。←ハードルが高いのはわかってるけど、是非超えてきてくださいね、というメッセージを送ります。
少しまどろっこしいお願いとはなりますが、私たちの大切な子を、同じ気持ちで大切にしてくださるお宅にお嫁に出したいと考えております。←決していらない子ではない、大切に保護されてきた子であることをアピールします。
ここで私たち保護主と里親様がしっかりと信頼関係を結ぶことが、その後の猫ちゃん自身にも良い影響を及ぼすと考えておりますので、どうぞ理解・ご協力くださいますよう、お願い申し上げます。
諸々折り合いがつきましたら、ご足労ではございますが、わが家までお見合いにお越しいただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
良いファーストコンタクト文がもたらす効果
このように、正直且つしっかり丁寧に説明とお願いを尽くすことで、多くの里親希望者の方は、同じ温度感で向き合ってくださると思います。
中には、それでも折り合いがつかない方がいると思います。
その方は、あなたの望むような飼い方や手続き方法は受け入れがたいのだと思いますので、堂々と譲渡を見送りましょう。
このように、事前にスクリーニングをしておくことで、後々のトラブルを防ぎ、良いご縁につなげることができることでしょう。
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