家の中で飼っている子が脱走してしまうこと、普段はなかなか想定できないかもしれません。
しかし、実際には以下のようなケースがよく起きているようです。
- 来客時にうっかり外に出てしまった、
- 姿が見えなくなってしまった、
- 網戸が外れて表にでてしまった…
猫の知能は大体4~5歳児程度の子供と同じくらいと言われています。
4~5歳児で外にあまり出たことの無い、交通ルールもわからない子が外にひとりで放り出されたと想像すると、その恐ろしさが図れると思います。
万が一うちの猫が脱走してしまった時、どういう行動を起こすべきか?
より効果の高い方法を考え、対策しておくと、いざという時にも慌てず行動できますね。
Contents
脱走時は初動が大切
まず大前提として、脱走時は、とにかく早く行動を起こすることが大切です。
なぜなら、脱走して3日以内が、一番見つかりやすいと言われているためです。
時間が経てば立つほど、猫はより遠くに移動します。
また、体力もどんどん奪われ、猫の命が危うくなりますし、事故・ケガ・伝染病をうつされる危険性も出てきます。
ですので、帰ってくるかもしれないから少し様子を見よう等とは考えず、姿が見えないことに気づいたら、とにかく早く行動に移しましょう。
脱走後、3日目以内に行うこと
脱走直後~3日以内は、猫は自宅のすぐ近くにいることがほとんどと言われており、非常に捕獲し安い期間です。
この時期が命と言われていますので、
「3日目以内は家の周りにいることが多い」前提を踏まえ、以下の順番で行動を起こします。
①玄関前に、いつも使っているトイレとエサを置く。
うっかり外に出てしまった猫は、いつもと違う風景にパニックになっており、どうしたら家に戻れるのか理解していないために帰れなくなっていることがほとんどです。
ですので、自分の慣れ親しんだ匂いで、猫に合図を送ります。これだけで、すぐに戻って来てくれる場合もあります。
もし可能であれば、玄関扉を開けて置き、猫が匂いを頼りに家の中まで入って来れるようにしておくのもひとつです。
※他にも猫を飼っているなど、玄関扉を明け放つことで問題が起きる場合は、他の猫はケージにしっかり閉じ込めてから実施するなど、慎重に行うようにしましょう。
②保健所・警察署に連絡
①をセットしたら、即保健所と警察署に連絡をして、飼い猫が脱走したことと猫の特徴を伝えます。
猫が上記機関に保護された場合、あなたに連絡をくれるというメリットがあります。
また、保健所・警察署に一時捕獲され一定期間(早いと1~3日程度の場合もあります)が経っても飼い主の現れない猫は、里子に出されたり、最悪の場合は殺処分されてしまいます。それを食い止めるためにも、必ず保健所・警察署には連絡を入れるようにしましょう。
③物理的に家の周りや庭等を探します。
優しく名前を呼びかけ、トイレの砂と、大好きなごはん(なるべく香りの強いもの)を持ち歩きながら、探し回ると良いでしょう。
猫は、ビックリするくらい狭い場所にも平気で入り込みます。植込みの中や草木の影、軒下、塀と壁のほんの狭いスペース等、「こんなところに入れるかなぁ?」というところも全てしっかりチェックしましょう。
猫さんは移動しますので、さっき見たなと思うところでも、何度でも見直すことをお勧めします。
④家の中を探す
姿が見えなくなったけど、実は脱走の瞬間を見ていないことはありませんか?
窓が空いている、など、物的証拠だけでは、本当に家の外に逃げてしまっているとは限りません。
脱走したと思って探し回った結果、実は家にいたというケースも、実はよくある話なのです。
ひとしきり家の周りを探しても見つからない場合は、家の中にも目を向けてみましょう。
さっき閉めた物置の中、冷蔵庫、タンスの引き出し、天袋、屋根裏など、可能性のあるところを全てチェックしてみましょう。
たとえ家の中でも、閉じ込められっぱなしでは命に関わりますので、こちらも徹底的に行うことが大切です。
脱走後4日目~2週間以内に行うこと
猫が脱走して4日目以上となると、心配でたまらない時期だと思います。
何も手につかず、手当たり次第に探そうとしてしまうと思いますが、ちょっと落ち着いて、より効率の良い方法での捜索を行いましょう。
この時期になると、そろそろ家とは少し離れた場所に移動をはじめる頃です。
これまで通り、玄関前のトイレ、ごはんのセットはしつつ、脱走した町内を中心とし、周囲を囲む隣の町内くらい(目安1キロ四方)くらいまで、捜索エリアを広げてみると良いと思います。
この広さになってくると、ひとりの力で足で探して見つけることが、なかなか難しくなってきます。
ですので、この段階で行うと良いのは、ズバリ「近所の人の目を使う」ということです。
飼い主であるあなた自身は、エリア内を方々探し回ると良いでしょう。
猫さんを探している時も、通勤等それ以外で外を歩いている時も、逃げてしまった猫さんのことを頭の片隅に置き、似たような柄の子を見つけたら、「脱走したウチの子じゃないかな?」という目で、みることと思います。
その方法で見つかれば良いですが、やはり、あなたひとりの力では限界がありますよね。
ですので、あなたと同じ目を、ご近所の方皆さんに持ってもらうことで、効率を何十、いや何百にもアップさせることが可能になります。
地域に密着した形で周知を行うことで、協力者を増やしましょう。
具体的には、猫さんの特徴がわかる写真等を用いたチラシを作り、以下のようなスペースに掲示させてもらい、周知を行います。
- スーパーやコンビニエンスストア等の人の集まる店舗
- 地域の掲示板
- コインランドリー
- 動物病院
- 保健所、警察
- 民館、図書館等のパブリックスペース
- 回覧板に挟む
などなど、対象エリアを決め、その範囲の掲示可能なところはどこでも掲示すると良いと思います。
また、チラシには、こんな情報を載せると良いでしょう。
- 猫の顔立ちがはっきりわかる画像
- 猫の全身、且つ特徴的な柄や尻尾の形・長さのわかる画像
- 名前(呼びかけに反応する可能性があるため)
- 体格
- 首輪の有無、特徴
- 脱走日時
- 脱走住所(住所を特定されない丁目くらいまで、もしくは○○公園付近など大体の場所)
- 連絡先(拡散されても問題ない携帯電話番号など)
- 見つけてくれた方への薄謝有無など
自分でのチラシ作りに不安がある方は、こういった業者を使用してみるのもひとつです。
また、情報拡散は、TwitterやInstagram、Facebook等のSNSの手も借りると良いでしょう。
SNSは、同じ情報であっても文面を何パターンか、一定時間ごとにタイムラインに載せることがとても大切です。
情報がある場合は拾えるように、関連情報専用のハッシュタグ作って指定したり、相互フォローなしでもDMやり取りができるよう設定するなどで、情報とのつながりを持つと良いと思います。
脱走後2週間以上立ってしまったら…
猫さんの体力等も考えると、かなり本気で捜索したい時期に入ります。
これまで通り玄関前のトイレ・ごはん、チラシでの周知は続けつつ、プロの手を借りても良い時期かと思います。
費用がそこそこかかりますが、ペット専門の探索業者がいますので、お願いしてみるのもひとつです。
遠隔地にも、出張手数料、移動・宿泊費等の負担を行うことで来てくれるところが多いです。
また、この段階では、SNSでの広範囲周知が、より効果を発揮するようになります。
平日なら朝8:00台、17:00台の通勤時間帯や、21時頃を狙って、一日に何度も投稿するようにしてみましょう。
屋外で猫を発見した場合
捜索の甲斐あって猫さんを見つけることができたら、喜びのあまり大きな声を出したり、
急いで保護しなければと走りよってしまいがちですが、これは絶対にNGです!
猫はただでさえパニック状態であることが多いです。
また、脱走期間が長くなっている場合、猫は、屋外で出会うあなたのことを、いつものあなただと認識できないことが多く、怖がって逃げてしまう可能性が高いです。
ですので、ここは深呼吸して気持ちを落ち着け、以下のように行動します。
- しゃがんで低い姿勢をキープします。
- 目は見つめ過ぎないようにしつつ、低い姿勢のまま、名前を優しく呼びながらゆっくり近づきます。
- ごはんを差し出しながらだと、警戒がゆるむかもしれません。
- 少しずつ距離を縮め、まずいつもしているように頭や体を撫でて、安心させてあげます。
- 充分緊張がほぐれたと思ったら、その状態からそっと抱きかかえましょう。
できれば、キャリーバッグ等を持参し即格納したいところですが、思いもよらぬ場所で見つけてしまい何も持ち合わせていない場合等は、逃げないようにだけしっかりと抱きかかえます。
保護した場所の近隣のコンビニエンスストアなどで段ボール箱を分けて貰える場合は、そういったものを使用しても良いですし、大き目の洗濯用ネット(布団用だとベスト)等を入手し入れてしまうのもひとつです。
車の移動であれば車に連れて乗り込んでしまう等、とにかくなるべく早く、再度脱走される恐れのある状態を回避しましょう。
最後に、決して諦めず、信じ続けることの大切さ
今回、より見つかりやすい期間を3日間として記事を書きましたが、この期間にこだわらず、飼い主さんが決して諦めることなく探し続けることが何より大切だと思います。
脱走から1年半かけて、執念で探したケース等も実際にあります。
諦めてしまったらその時点で、あなたの大切な猫さんは、あなたの元に帰ることが出来なくなります。
まずは即行動に移すことですが、仮に見つかりやすい時期に探し切れなくても、最後まで決して諦めず、探し続けてあげること、それが飼い主としての責任ではないでしょうか。
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