Googleで「猫 里親」と検索すると、
「猫 里親 条件厳しい」というのが上位表示されました。
筆者は猫を譲渡する側ですが、このキーワードが上位表示される気持ちはとてもよくわかります。
なぜなら、自分でも「我ながら、これ言われたらヤダな」「これ、厳しすぎるよな」「どんな風に伝えたら、失礼に思われないかな?」と、常日頃葛藤しながらかなり踏み込んだ質問をしたり、飼い方のお願いをしたりしているからです。
今回は、「なぜ猫の里親になりたいだけなのに、そんなことを要求されるの?」という疑問にお答えしながら、少しでも、「そういう理由があったのか、意地悪で言っていたわけでは無かったんだな。。。」というのを知ってもらえたら嬉しいです。
Contents
①身分証の提示を求められる
これ、びっくりしますよね。
え?免許必要なんですか?って思うと思います。
もちろん、知り合いなど疑いようもない相手であれば見せて貰う必要はないのですが、例えばSNSや里親サイトなど、匿名性の高いところでの出会いにおいては、どうしてもご本人であることを確認するには、身分証を拝見する以外方法がないんです。
実際に、名前や住まいを偽った、虐待や転売目的の詐欺を働く0.1%の悪いやつの影響で、99.9%の方にまで負担を強いることになってしまっているのですが、悪いやつかどうかを見抜く方法が限られていることもあって、是非ご協力を頂けるとありがたいです。
②職業や年収を聞かれる
これも嫌ですね~><
何か関係あるの?って思いますよね。
失礼なのは承知の上ですが、「猫さんにお金をかけるキャパがしっかりある人かどうか?」を、嫁に出す立場としては確認をしておきたい思いがあるんです。
というのも、猫さんてば、思ってる以上にお金のかかる生き物。
最低で避妊・去勢手術と年1回(初年度は2回)のワクチンで、一度に数千~数万単位のお金が出ていきますし、
以後も病気をすると、人間のように健康保険がないこともあって、結構な大金が飛んで行ってしまいます。
他にもトイレ砂などの日用品が常に必要ですし、フードも体質に合わせて変える必要が出たりもします。
例えば大きなケガや病気の治療にお金がどうしても必要だという時に、お金がないために治療を諦めなければならなかったり、躊躇してしまって手遅れになってしまうのはすごく悲しいことですよね。
そういった時に余裕をもって対応してくださる経済力のある方かどうか?を、ここでは見ているのです。
不快に思うかもしれませんが、猫さんのために必死なんだと理解していただけると嬉しいです。
ちなみに、そんなにお金持ちではない方だからと頭ごなしにダメということはなくて、民間のペット保険に入って下さるなど、いざという時の備えをしっかりしてくださる方なら、保護主さんも安心してお引渡しできると思います。
③家に上がって飼育環境を見たいと言われる
これ、我ながら思いますが、自分ならほんとイヤです。
うちはものすごく散らかってるし、そもそも古い家なので恥ずかしくて。。。
でもこれ、すごく大切だったりします。
ここでは、生活レベルとか飼育環境自体をチェックすることは、実はそこまで重要ではありません。
①の理由に通じるところがありますが、
飼い主さんの言っている住所に本当にその家が存在するのか?
そこで飼い主さんが本当に生活をしていて、その家で飼うのか?
その為の環境を本当に整えているか?
を見たいのです。
そこで猫さんを飼う予定なら、トイレや食器など最低限の猫さんを迎える準備をしてくださっているはずですよね。
それを確認することで、転売や虐待目的ではないのだということを確かめたいのです。
そこまでする?って思うかもしれないんですが、本当にいるんですよ、悪い人が;;
ですので、多少散らかってても、きれいでなくても、「どうぞどうぞ、見て行ってください!」と二つ返事で迎えてくださる方は、それだけでかなり信用できます。
④完全室内飼い、避妊去勢の徹底など、証拠を見せろと言われる
いやいや、そんなこと、言われなくたってちゃんとしますし!
てゆうか、やれって言われると、今やろうとしたのに~もうやる気無くなった!
てなりますよね^^;
特に、色んな方に譲渡を繰り返してきて、たくさんの方に接した譲渡者は、良く知っているんです。
人は喉元過ぎれば熱さを忘れる生き物だってことを。
猫さんを迎え入れた直後は、避妊去勢の大切さや完全室内飼いがどうして必要なのかをしっかりと調べ、「よし、絶対に守るぞ!」と思っても、人間は本当に痛い目を見ないうちは自分の意思だけで未来の義務を果たすことは難しいんです。
なので、譲渡者自身が痛い目となって、口うるさくあーしろ、こーしろというわけです。
面倒なのでいう通りにしているうちに、猫さんにとっては望ましい形になっているのが狙いです。
めんどくさいなぁと思うかもしれませんが、どうか、温かい目で付き合って頂ければ幸いです。
⑤猫の様子を写真付きでメールなどで知らせろと言われる
これも④に近いですね。
面倒なのはすごくわかります^^;
しかし、譲渡者は心配なんです。
どんなに里親さんを信頼していても、やっぱり目で確かめたいんです。
そして、幸せいっぱいに成長しているところを、里親さんと共に喜びたいんです。
もうこれは、孫を見たがるおじいちゃんおばあちゃんだと思って、付き合ってあげてほしいです。
⑥年齢や家族構成などによっては断られてしまう
例えば同棲中のカップルや、60歳以上のご年配の方、そして単身者(特に男性)は、譲渡のハードルはかなり高いと思います。
同棲カップルは別れてしまった時に、猫さんが邪魔になって遺棄や保健所収容の対象になった過去事例が影響しています。
また、60歳を過ぎた方への子猫の譲渡は、猫さんの寿命とご本人の健康年齢のバランスから、難しいケースもありますね。
単身者は、一緒にいる時間が短いことや、①③で取り上げた虐待目的のケースが該当したため、どうしても悪い印象を持たれがちです。
もちろん、99%の方は、問題ない飼い方をされる方だと思うのですが、過去の失敗ほど人を臆病にさせるものはありません。
それぞれに理由と対策がありますので、是非「なぜ?」を理解いただき、譲渡者の心情にも寄り添いながら、それを解決できるように誠意を持って対応頂ければ、譲渡者さんも心を開いてくれるかもしれません。
まとめ
冒頭で、譲渡者側の課す条件が厳しすぎると感じる気持ちがわかると言いましたが、筆者自身は譲渡をする側ですので、譲渡者がどんな気持ちでこの条件を課すのかも、痛いほどによくわかります。
やはり、取り扱っているものが「生き物」だから、ということに尽きるでしょうか。
里子に出るまでは、わが子だと思って大切に保護し可愛がってきた子ですので、絶対に里子に出た先で幸せになって欲しいと願い、あれこれ確認してしまうんですね。
娘を嫁に出すお父さんの気持ちを想像していただけると、ご理解頂けるかと思います。
里親の皆さんをもちろん信頼してお引渡しをしてはいますが、ちょっとした無知や不注意などで、防げたはずの悲劇が生まれないことを願いながら、このように条件を課してしまうことをご理解頂けると、とても嬉しく思います。
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